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コールセンターにおけるFAQシステム導入のメリット

目次

コールセンターにFAQシステムが必要とされる背景

問い合わせ件数の増加と応対負荷

近年、顧客ニーズの多様化に伴ってコールセンターへの問い合わせが増加しています。問い合わせの増加とともにオペレーターの応対負荷も大きくなっており、応答率の低下や待ち時間の増加などの課題が出てきています。

FAQシステムの導入によって、「よくある質問」について自己解決を促す、オペレーターが迅速に回答を探し出せる環境を構築するといったことができます。

オペレーターごとの回答品質のばらつき

同じ質問でもベテランスタッフは即回答が可能、新人スタッフは回答に時間がかかるといったケースが見られるように、コールセンターはオペレーターの経験値やスキルによって、回答品質のばらつきが生じやすいという特徴があります。FAQシステムの導入でナレッジを一元管理して回答品質のばらつきを抑えることで、顧客満足度の維持・向上が期待できます。

新人教育・ナレッジ共有の属人化

特定のオペレーターの頭の中にのみノウハウが蓄積される「属人化」も、コールセンターにおける課題とされています。FAQシステムを導入すると、システムの検索を行うことによって知識を増やして正確な回答を提供できるようになるため、属人化の解消につなげられます。

またナレッジをFAQシステムによって情報を管理することにより、新人でも自己学習がしやすい環境の提供が可能になります。

FAQシステムをコールセンターに導入するメリット

応対時間を短縮できる

顧客対応中に確認事項が発生した場合、FAQシステムがあればキーワード検索を行うことで必要な情報にすぐにアクセスし、顧客に情報提供を行えます。もし紙のマニュアルを参照する場合、なかなか欲しい情報が見つからず、保留時間が長引くケースもあります。このように、FAQシステムの導入により応答時間を短縮でき、同じ時間内により多くの問い合わせに対応できるようになります。

回答品質を均一化できる

FAQシステムに対し、公式の模範回答を記載しておくことにより、全てのオペレーターが同じ情報を元にして顧客に案内を行えるようになります。この点から、個人のスキルに依存した不確かな回答の提供を防ぎ、回答品質の均一化を行えます。

オペレーターの教育コストを削減できる

FAQシステムの導入によって、新人オペレーターは自己学習がしやすくなることに加えてOJTも行いやすくなるため、育成期間の短縮も期待できます。その結果、新人の指導にかかる人件費や時間などの教育コストを抑えられる点も大きなメリットです。

顧客の自己解決を促進できる

顧客が閲覧できるWebサイトにFAQを公開することによって、顧客は自身が疑問を感じた際に24時間365日いつでも検索できるようになるため、自己解決の促進が可能になります。定型的なよくある質問を顧客自身で解決できるようになればコールセンターへの入電数の削減につながり、待ち時間の短縮にもつながります。

問い合わせデータを業務改善に活用できる

「どのようなキーワードが検索されているか」「よく閲覧されているFAQはどれか」「検索したものの解決しなかった項目はどれか」といったデータの蓄積が可能です。このようなデータの分析を行うことにより、顧客のニーズやサービスの改善点を把握できます。マニュアルの改訂やWebサイトの導線の見直しなど、さまざまな業務の改善に活用できる情報を得られます

コールセンター向けFAQシステムの主な機能

FAQの登録・編集・カテゴリ管理

質問と回答の組み合わせを作成・更新できる機能です。製品別・サービス別など細かくカテゴリ管理できる機能も用意されていることから、情報量が増えたとしても整理された状態を保てます。登録だけではなく編集もできるため、随時情報の追加や古くなった記事の削除・修正など、メンテナンスを行っていくことで新しい情報の掲載が可能になります。

キーワード検索・自然文検索

さまざまなデータが蓄積されているFAQから、目的の情報を素早く探し出すための機能です。単語を組み合わせる「キーワード検索」のほか、「パスワードを忘れてしまった」のような話し言葉で検索ができる「自然文検索」の機能を持つシステムも提供されています。この機能により顧客も自身で疑問点の検索がしやすくなるため、顧客満足度向上にもつながります。

閲覧数や検索ログの分析

FAQの利用状況を分析できる機能です。頻繁に閲覧されている項目や、検索されたものの合致する記事が見つからなかったキーワードの抽出も行えます。この分析機能により得られたデータを活用し、不足している情報を追加する、既存のFAQの内容をよりわかりやすく修正するなど、継続的にブラッシュアップするための改善策を立てるのにも活用できる機能といえます。

チャットボットやCRMとの連携

他のシステムとの連携によって、より高度なサポートを提供できます。例えばチャットボットとの連携により、FAQのデータベースに登録されている内容をそのままチャットの回答ソースとして活用可能です。またCRM(顧客関係管理)システムとの連携を行うと顧客の問い合わせ履歴が同期されるため、よりひとりひとりに寄り添ったサポートを提供することが可能になります。

権限管理・承認フロー

ユーザーごとに「閲覧のみ」「作成・編集可能」「公開承認可能」など、細かいアクセス権限の設定を行う機能です。また、作成したFAQの内容を確認し、承認を得た上で公開を行うための「承認フロー」機能も用意されています。このことにより、誤った情報を公開することを防ぎ、正確な情報の提供を行うための体制を維持できるようになります。

FAQシステムの活用シーン

オペレーターが通話中に回答を検索する

顧客からの入電に対応中、即回答できない専門的な質問があった場合、オペレーターはFAQシステムで検索することで、必要な情報を得られます。その情報を参照しながら案内することによって、顧客の待ち時間をできる限り短くした上でスムーズに回答の提供を行えます。

顧客がWeb上で自己解決する

企業のサポートサイトにFAQを設置したり、マイページからアクセスできるようにしたりすることで、顧客自身がいつでも自分で疑問を解消できる場として活用できます。チャットボットなどでFAQを案内すれば、顧客はコールセンターに電話をかける手間を省ける点に加え、コールセンターの対応時間外でも、自分で情報の検索を行えます。その結果、顧客の利便性が向上するとともに、コールセンターへの問い合わせ数削減にもつながります。

よくある問い合わせをFAQ化して共有する

コンタクトセンターに入電する問い合わせの中で多いものを「よくある問い合わせ」としてFAQ化することで共有が可能です。オペレーターがいつでもシステム上で検索できるようになるため、該当の質問が入電したときにスムーズに回答を検索し、情報提供することが可能になります。

問い合わせ傾向を分析してFAQを改善する

FAQシステムの検索ログや閲覧履歴を定期的に抽出することにより、顧客の問い合わせ傾向を分析できます。分析結果を活かして新たな項目を追加する、既存の項目をよりわかりやすくリライトするといった対応を行えます。

FAQシステムの導入事例

問い合わせを一元管理して情報共有を実現

日東工業株式会社のお客様相談センターでは、社内外からの電話問い合わせの内容が収集できておらず、情報共有が不十分な状態でした。さらに問い合わせ業務が属人化しており、ナレッジの蓄積を必要としていた点、社内に情報が分散しており問い合わせ対応に時間がかかっているという課題を抱えていました。

そこで、同社ではZendeskを導入することで問い合わせを一元管理し、情報共有を実現。さらにFAQサイトを公開して自己解決を促したことで、問い合わせ件数の減少に繋げています

導入したシステム:Zendesk

Zendesk(ゼンデスク)は、クラウド型のカスタマーサービスおよび営業支援を目的としたプラットフォームです。電話やメール、チャット、SNSなどさまざまな窓口から寄せられる問い合わせを一元管理できるため、効率的に対応を行えるようになります。また、HTMLなどの専門スキルがなかったとしても、ヘルプセンター(FAQ)を簡単に構築できる点も特徴です。

急激な会員数の増加に対応

サブスクリプション型のオンラインヨガ・フィットネスサービスを展開しているSOELU株式会社の事例です。

「おうち時間」の増加に伴って同社が提供するサービス「SOELU(ソエル)」も会員が1年間で6〜7倍に増加したことから、カスタマーサポートチームでのお客様対応において人員が不足するようになりました。

そこで同社はZendeskとGuideBOTを活用して、急激な会員数の増加に対応。FAQの作成などさまざまな対応を行うことによって、平均解決率において5割を達成しました。また、ユーザーの自己解決率を向上させ、オペレーターの負担軽減にも繋げています

導入したシステム:Zendesk、GuideBOT

SOELU株式会社では、Zendeskに加えてJ-ウィジェットの機能のひとつであるGuideBOT(ガイドボット)を導入しています。J-ウィジェットとは、Zendeskの標準機能のWeb Widget/Answer Botを活用することで、より利用シーンに応じた活用がしやすいように、ZeQが開発を行ったウィジェット製品です。それぞれの顧客ごとの要望に合わせたカスタマイズを行えることから、「やりたいこと」の実現が可能です。

コールセンター向けFAQシステムの選び方

検索しやすさと回答へのたどり着きやすさ

FAQシステムの選定を行う場合、検索精度の高さが非常に重要です。検索を行った際に、目的の情報に直感的に、素早くたどり着けるかの確認が欠かせません。無料トライアルなどを活用し、現場のオペレーターに操作してもらうことで検索のしやすさと回答へのたどり着きやすさについてチェックをしましょう。実務における使い勝手を確認することが大切です。

FAQ更新のしやすさ

FAQは一度作って終わりではなく、新たな情報を追加する、すでにある項目を追加するなどしながら、情報が最新のものを掲載できるように対応していくことが求められます。この点から、現場の担当者が簡単に更新を行えるかも確認しておきたいポイントといえます。メンテナンスの負担が少ないシステムを選択することにより、システムの形骸化を防げます。

既存のコールセンターシステムとの連携性

現在使用している、CTIやCRMなど、コールセンターシステムとの連携が可能かも重要な選定基準となります。これらのシステムとの連携ができることにより、業務効率の向上が期待できます。そのため、現在使用しているシステムとの連携に対応しているかどうかをあらかじめシステムの提供元に確認しておいてください。

分析機能の充実度

分析機能が充実しているかも重要なポイントといえます。頻繁に検索されるキーワードや、検索しても結果がヒットしないキーワード、FAQの閲覧数や解決率などの分析を行えると、FAQの改善に活かせます。より良い情報を提供するためにも、分析機能が充実したシステムを導入することがおすすめです。

セキュリティと権限管理

コールセンターでは、個人情報や機密情報を取り扱う場面もあるため、セキュリティ面はチェックしておくべき部分です。さらに、業務形態に応じた詳細な権限設定ができるかといった点も確認します。「閲覧のみ」「作成・承認権限」といったように、階層別の権限管理機能や、更新した人や日時がわかるログ機能があるシステムを選択することにより、セキュリティの高い運用が可能になります。

FAQシステム導入で失敗しないためのポイント

導入前に問い合わせ内容を整理する

システム導入前に、現状の問い合わせ履歴やマニュアルの棚卸しを行い、FAQ化するべき内容の精査を行います。全ての情報を無秩序に登録してしまうと、検索時に不要な情報がノイズとなるケースもあるため、入電数の多い「よくある質問」から優先順位をつけるといったように内容を整理した上で、システムに移行することがおすすめです。

FAQの作成・更新担当を明確にする

FAQシステムの運用が失敗する原因としては、メンテナンス業務が後回しになり情報が古くなることが挙げられます。この状況を防ぐためにも、FAQの作成・更新担当を決めておくことが重要です。また、「新たな問い合わせが来た場合に、いつまでにFAQ化するのか」という運用ルールを策定して、継続的にアップデートができる体制を構築します。

オペレーターが使いやすい導線を設計する

優れたFAQを用意したとしても、現場のオペレーターに使われなければ意味がありません。利用されるFAQとするためにも、オペレーターが使いやすい導線を設計することがポイントです。また、導入初期には研修を実施し、使い方を説明するとともに利用を促すことも大切です。

導入後も検索ログをもとに改善を続ける

FAQシステムは、導入してからも検索ログを元にして改善を続けていくことが重要です。定期的に検索ログなどを分析しながら、継続的な改善を行います。古くなった項目を削除する、新たなキーワードを追加するなど、メンテナンスを行いながら、FAQを最新の状態に保ち続けることが大切です。

まとめ

コールセンターにおいて、応対負荷の軽減や、回答品質の均一化のため、FAQシステムの重要性が高まっている状態といえます。システムを導入する際には、検索や更新がしやすいものや、既存システムとの連携性を重視して選ぶことが大切です。そして導入後も継続的な改善を行って使いやすい状態を維持することが、システムの導入を成功に導く鍵といえます。

CHECK
「AIになにを任せるか」
で選ぶ
カスタマーサポート
AIベンダー3選

カスタマーサポートにAIを導入する企業が増える一方で、
「何をゴールにするのか」によって、選ぶべき技術やパートナーは大きく異なります。
本ページでは、サポート領域におけるAI活用の3つの視点──
問い合わせの自律実行/オペレーター支援/顧客理解と改善──に分けて、
それぞれの目的にもっとも適した国内ベンダーをご紹介します。

問い合わせ実行
AIでユーザーの問い合わせを
自律的に完了できる
ZeQ
HPキャプチャ画像
引用元:ZeQ https://www.landingpage-synergy.com/2Rq9Jl1U/
解決に導く主なソリューション
Zendesk AI

高度な生成AIを搭載し、定型的な質問応答から予約・注文処理までを自律的に完了させるソリューションです。コスメブランドのLushでは、AIが初期対応を担うことで一次解決率60%を実現し、毎月360時間の業務削減に成功。美容サロンのHello Sugarでも予約プロセスの自動化などにより66%の自動化率を達成しています。単なる“FAQ誘導”ではなく、顧客の課題を直接解決するAIをスピーディに立ち上げたい企業に適しています。

ZeQの強み

“チャットに答える”のではなく、ユーザーの目的を理解し、自律的に問題を完了させるAIエージェント。返金・配送確認・キャンセル処理などの実行業務を人手を介さず完了できるのが特徴。導入は数クリック・短期間で完了し、サポート業務の40〜60%を自動処理する実績も。Zendesk導入実績は500件を超え、味の素デジタルビジネスパートナー、ベースフード、SONY Bizなど業界を問わず支援してます。

オペレーターの回答補助
AIで電話応対と後処理の
負担を減らせる
PKSHA Technology
HPキャプチャ画像
引用元:PKSHA Technology https://www.pkshatech.com/
解決に導く主なソリューション
PKSHA Speech Insight

音声認識AIを駆使し、コンタクトセンターにおける電話応対から後処理(ACW)までをシームレスに効率化するソリューションです。通話内容をリアルタイムでテキスト化し、適したFAQを自動提示します。通話終了後はCRMの入力項目に合わせて内容を自動要約するため、オペレーターは確認・微修正のみで記録が完了。北國銀行などの事例ではACWを約30%削減した実績があり、現場の業務負荷軽減適してます。

PKSHA Technologyの強み

「人が主役」の設計思想のもと、コールセンター全体の能力とやりがいを高める支援に特化しています。独自の高精度な音声認識技術により、新人オペレーターでも迷わず正確な回答ができるようナビゲートします。また、SV(管理者)向けには、全オペレーターの状況のリアルタイムモニタリングや、感情変化・NGワードの検知アラート機能を提供。現場の心理的安全性を保ちながら、組織全体の応対品質向上と平準化を実現する点が評価されています。

顧客理解・分析
AIで顧客データを統合し、
一人ひとりに適したサポート
提供できる
トレジャーデータ
HPキャプチャ画像
引用元:トレジャーデータ https://www.treasuredata.co.jp/about-us/
解決に導く主なソリューション
インテリジェントCDP

カスタマーサポートに寄せられる声(VoC)だけでなく、Webサイトでの行動履歴や過去の購買データなど、企業のあらゆるデータを一元化する顧客データプラットフォームです。蓄積されたデータとAIを活用することで、解約リスクの予測や、顧客一人ひとりのニーズに合わせた的確なアクション案をリアルタイムに提示します。サポート窓口を高度化し、全社的なLTV(顧客生涯価値)の向上を推進したい企業に適しています。

トレジャーデータの強み

トレジャーデータは、顧客データ活用領域に特化したプラットフォームを提供する企業です。企業が保有するWeb行動データやサービス利用履歴、問い合わせ情報などを統合し、顧客理解を深めるためのデータ基盤を構築できます。こうしたデータを活用することで、カスタマーサポートにおいても顧客の状況を把握しやすくなり、担当者への振り分けや対応判断に役立てることが可能になります。サポート部門だけでなく、マーケティングや営業部門とのデータ連携にも活用されており、顧客対応の質向上やアップセルにつながる取り組みを支える基盤として導入されています。