Webサイトに設置されているチャットボットは、そのサイトを訪れたユーザーからの質問に24時間365日自動で対応できるツールです。従来、問い合わせには電話やメールが利用されてきましたが、チャットボットを導入することによってその場ですぐに回答されるため、ユーザーが手軽に疑問を自己解決できるWeb上の接客ツールとして機能しています。
WebページにあるFAQは、よくある質問の一覧です。知りたい内容があるユーザーは、キーワードで検索を行い、FAQの中から自分が知りたい内容について探し出す必要があります。対してチャットボットは対話型で回答の提示を行えるという点が大きな違いです。
また、チャットボットは問い合わせフォームよりも即時性が高く、さらに有人チャットのように営業時間外や待ち時間といった制限がないために利便性が高いといえます。簡単な質問であればチャットボットのみで完結させることもできます。
AI型のチャットボットは、ユーザーの自然な文章を解釈して回答を行える形式であり、曖昧な表現や表現ゆれに強いという特徴があります。また、シナリオ型のチャットボットは、あらかじめ設定した分岐に沿って案内を行っていく形式であるため、定型的な問い合わせの対応を行う際に向いています。
「よくある質問」に対する回答をチャットボットにより自動で提供できるようになると、電話やメールを使った問い合わせ対応にかかっていた時間や人件費の削減が可能です。さらに、カスタマーサポート担当の業務負担も軽減でき、個別対応が必要な案件にのみ注力できるようになるなど、問い合わせ対応を効率的に進められるようになります。
ユーザーは、Webサイトを閲覧している間に疑問や聞いてみたい内容が出てくることがあります。このような場合にも、チャットボットで質問することですぐに回答が得られます。
回答を得るために電話をかける・メールを書いて返信を待つとなると億劫に感じる人もいるかもしれませんが、チャットボットであれば待ち時間なしでスムーズに情報を得られるため、ユーザーのストレスを軽減するとともに顧客満足度の向上も期待できます。
サイト内に求めている情報が見つからない場合、ユーザーはWebサイトから離脱しやすくなります。このような状況でも、チャットボットを設置していれば求めている情報にたどり着けるようにサポートできます。結果的にサイト内の回遊性が向上し、疑問を解決しないまま早期にサイトから離脱してしまうことを防げます。
サイト訪問者の疑問・不安をその場で解消できるため顧客体験が向上し、その結果、さらなる問い合わせや資料のダウンロード、商品の注文や無料相談など、コンバージョン(CV)へつなげられます。
チャットボットの対応履歴は、その後の分析にも使用できます。蓄積されたデータから「どのような質問が多いのか」「どのような情報を求めている人が多いのか」といった点を把握でき、顧客ニーズの可視化が行えます。このように、可視化された顧客ニーズを参考に、Webサイトの改善や新商品・新サービスの企画などに活かせます。
ユーザーからのよくある質問に対し、あらかじめ登録されているFAQデータベースやAIの学習データをもとにして、24時間365日自動で回答を提示できます。ユーザーは待ち時間なく、自分の好きなタイミングで問い合わせを行い、回答を得られます。
商品やサービス選びで迷っているユーザーに対し、チャットの会話の流れを参考に、AIが好みやニーズを推測し、おすすめの関連製品を提案することによって購買意欲を高めます。こちらの機能は、客単価のアップやカゴ落ちの防止に貢献します。
単に質問に答えるだけではなく、興味が高まっているユーザーを次の行動に進めるために用いられる機能です。例えば、「詳細の資料が欲しい」「担当者と相談したい」といった意図を受け取った場合には、資料請求フォームや問い合わせフォームのURLを案内します。会話の流れに乗って自然に案内できるため、ユーザーにも押し付けがましさを感じさせにくいといったメリットがあります。
チャットボットによる自動応答では解決できない複雑な質問などが出てきた場合に、有人チャットにスムーズに切り替えを行う機能です。この機能があることによって、自動応答と有人対応を組み合わせたハイブリットな運用を行えます。
ユーザーの閲覧状況や操作に合わせた案内を、自動で出し分ける機能です。例としては、特定ページの閲覧や一定時間の滞在、離脱しそうな動きなどをきっかけとして、チャット画面や案内バナーなどを自動でポップアップ表示させられます。機会損失を防ぎ、それぞれのユーザーに合った接客を目的としている機能です。
ユーザーが入力したチャットの内容を分析できる機能です。「どのような質問が多く寄せられているのか」「解決できなかった質問はどのような内容か」といった点を把握できるため、今後のWebサイトの改善やマーケティング施策に活用可能です。
有人窓口や電話受付が終了した営業時間外だったとしても、チャットボットなら常時稼働してユーザーから寄せられる問い合わせに対応できます。夜間や早朝、休日など時間を問わず発生する可能性のある見込み客からの問い合わせを取りこぼさないように対応できるため、顧客満足度の向上に繋げられるというメリットがあります。
「よくある質問」や単純な問い合わせをチャットボットが一次対応として自動で処理できるため、カスタマーサポートの担当者が電話やメール対応にかかる時間と人件費の削減が可能です。チャットボットの対応により、人間が直接対応する件数が減り、担当者のストレス軽減につながることが期待できます。
情報収集や、購入検討をしている顧客が何か不安や疑問を持っていたとしても、チャット上で対応することでその不安や疑問の解消が可能です。このことから、次の行動への心理的なハードルが下がるため、結果として資料のダウンロードや商品の注文といった、コンバージョン率(CVR)の改善に貢献できます。
従来Webページに設置されていたFAQページでは、ユーザー自身がキーワードで検索を行うことで必要な情報を探す必要がありました。しかしチャットボットを設置しておけば、ユーザーがその疑問に関する言葉を入力する、または選択肢をクリックするだけで回答の提示を行えます。このように、ユーザーの自己解決につながる導線を作れます。
チャットボットの対応履歴を通じ、「ユーザーはどのような情報を求めているのか」「どのような質問を入力したのか」といった点を分析でき、サイト内に不足しているコンテンツの把握につなげられます。この分析結果をもとにしてWebサイト全体の改善や、新商品・サービスの開発に活かせます。
Webサイト用チャットボットを導入する上では、まず自社が抱えている問題と導入の目的を明らかにすることが大切です。例えば「サポート対応を効率化したい」「CVRを向上させたい」など、企業によって目的はさまざまであると考えられます。その上で、自社の導入目的に合った機能が用意されているツールを選択します。
柔軟な自然言語に対応が可能なAI型、定型的な案内によって目的の回答にユーザーを導くシナリオ型、自動対応が難しい場合にオペレーターに引き継ぎを行う有人対応といったように、さまざまな対応方式があります。自社の運用体制や求める回答精度に合わせて、必要な回答方式の組み合わせを確認することで、ニーズに合ったツールを選択できます。
チャットボットの表示をサイトデザインに合わせた形に調整できるか、という点も重要なポイントです。Webサイトのブランドイメージに馴染むデザインや、親しみやすいキャラクターの設定が行えるかを確認しておきましょう。デザインや表示位置について、チャットボットを設置するサイトに合わせて調整できるツールを選ぶことがポイントです。
自社で使用しているCRMやMA、問い合わせ管理ツールなどとの連携が可能か、という部分も確認しておくべきポイントです。システムとの連携が可能なチャットボットを選択することによって、顧客に合った案内や回答を行うなど、より高度な対応を提供できる体制の構築が可能になります。
Webサイトにチャットボットを設置する場合には、PCだけではなくスマートフォンでの操作性を損なわない、レスポンシブ対応が行われているかも確認します。現在はWebサイトをスマートフォンから閲覧するユーザーも非常に多いため、スマホユーザーにとっても見やすく使いやすいUIを提供することが非常に重要であるといえます。
機能面だけではなく、費用についても確認します。具体的には、初期費用や月額料金を確認して、予算計画に合っているかを検討してください。また、初期費用だけではなく継続的な運用にかかるコストについてもチェックし、費用と運用負荷が見合っているかを確認した上で、導入するかどうかを検討します。
実際にWebサイトにチャットボットを埋め込む場合には、まずチャットボットサービスを選び、シナリオの作成を行います。よくある質問とその回答、エラー処理などの定義を行っていきますが、ChatGPTなどの高度なモデルを活用することによって、より自然な会話の提供が可能になります。
設定が完了したら、Webサイトにチャットボットを設置するための埋め込みタグを発行します。コードの発行や確認は、通常は管理画面で行うことができ、ボタンをクリックするのみで数行のコードが発行されます。このコードをコピーし、自社サイトのHTMLファイルに貼り付けることで、チャットボット画面の実装を行えます。
この時、全てのページに表示させたい場合には、共通テンプレートのグローバルフッターに挿入することが一般的です。
例えばWordPressを利用している場合には、ウィジェット機能やGoogleタグマネージャー(GTM)を活用することによって、簡単にチャットボットの埋め込みが可能になります。
チャット画面をどこに表示するかは、管理画面にてあらかじめ用意された設定から選択します。また、ツールによってはユーザーの行動に連動した表示タイミングの設定が可能です。必要に応じて設定を行ってください。
実際のWebサイトでの表示と動作のチェックを行います。PC画面で確認するのはもちろん、スマートフォンでの表示を確認し、バナーやボタンなどと重なっていないかを確認しましょう。そして、テストとしてチャットボットにいくつか質問をして、問題なく回答が返ってくるかもチェックします。検証に問題がなければ、そのまま公開して、運用をスタートします。
日本航空株式会社では自社のWebサイトに英語版AIチャットボット「AIChat」を導入しています。電話受付時間外や混雑時にJALを利用する世界の顧客に対し、24時間利用可能な自己解決コンテンツとして提供されているものであり、JAL便の運行情報や予約・購入・搭乗・手荷物に関連した定型問い合わせから、PCR検査の規定や検疫体制、入国制限、減便や運休にかかるタイムリーな問い合わせまで、幅広く自動応答が可能です。
稼働から2ヶ月後には、こちらのサービスの回答カバー範囲は92%となっています。
AIチャットボット「AIChat」は、アルティウスリンク株式会社が提供するAIチャットボットサービスであり、FAQや会話シナリオの構築、AIの継続的なチューニングによってより良い応対を実行できます。また、AIと有人対応を組みあわせたアウトソーシングサービスも提供されています。こちらのサービスでは、AIチャットボットでは解決できない問題があった場合には、有人チャットへの導線を用意してスムーズにスタッフに繋ぎ対応することができます。
SOELU株式会社が提供するサブスクリプション型オンラインヨガ・フィットネスサービス「SOELU」では、「おうち時間」の増加に伴って会員が急増。その影響で、カスタマーサポートの人員が不足するようになったことから、チャットボットを導入し、会員からの問い合わせへの対応を行っています。
同社は、ZendeskとJ-ウィジェットの機能のひとつであるGuideBOTを導入。当初は解決率が2〜3割程度だったものの、FAQの作成など地道な対応を続けることによって、およそ7ヶ月後には平均解決率5割を達成しています。自己解決できる会員が増えたことからスタッフによって対応しなければならない問い合わせが減少し、業務の負担が軽減されたという実感が得られています。
J-ウィジェットとは、Zendeskの標準機能として用意されているWeb Widget/Answer Botを活用し、それぞれの利用シーンに応じて活用しやすいように、株式会社ZeQが開発を行ったウィジェット製品です。導入時には、要望に合わせたカスタマイズが可能であることから、自社の「やりたいこと」を反映させられます。例えば、SNSとの連携や既に使用しているデータベースなどとの連携にも対応しています。
Webサイト用のチャットボットは、24時間365日ユーザーからの質問に自動で応答ができるツールです。ユーザーが「聞きたいときに質問ができる」ツールであり、すぐに疑問を解消できるため、導入によってサイトの離脱防止やCVR向上が期待できます。また、カスタマーサポート担当者の負担軽減といったメリットも得られます。
導入時には、自社の課題に合わせたチャットボットを選択することが重要です。蓄積した会話データを分析し、Webサイトの改善やマーケティング施策に活かすこともできます。
カスタマーサポートにAIを導入する企業が増える一方で、
「何をゴールにするのか」によって、選ぶべき技術やパートナーは大きく異なります。
本ページでは、サポート領域におけるAI活用の3つの視点──
問い合わせの自律実行/オペレーター支援/顧客理解と改善──に分けて、
それぞれの目的にもっとも適した国内ベンダーをご紹介します。
高度な生成AIを搭載し、定型的な質問応答から予約・注文処理までを自律的に完了させるソリューションです。コスメブランドのLushでは、AIが初期対応を担うことで一次解決率60%を実現し、毎月360時間の業務削減に成功。美容サロンのHello Sugarでも予約プロセスの自動化などにより66%の自動化率を達成しています。単なる“FAQ誘導”ではなく、顧客の課題を直接解決するAIをスピーディに立ち上げたい企業に適しています。
“チャットに答える”のではなく、ユーザーの目的を理解し、自律的に問題を完了させるAIエージェント。返金・配送確認・キャンセル処理などの実行業務を人手を介さず完了できるのが特徴。導入は数クリック・短期間で完了し、サポート業務の40〜60%を自動処理する実績も。Zendesk導入実績は500件を超え※、味の素デジタルビジネスパートナー、ベースフード、SONY Bizなど業界を問わず支援してます。
音声認識AIを駆使し、コンタクトセンターにおける電話応対から後処理(ACW)までをシームレスに効率化するソリューションです。通話内容をリアルタイムでテキスト化し、適したFAQを自動提示します。通話終了後はCRMの入力項目に合わせて内容を自動要約するため、オペレーターは確認・微修正のみで記録が完了。北國銀行などの事例ではACWを約30%削減した実績があり、現場の業務負荷軽減適してます。
「人が主役」の設計思想のもと、コールセンター全体の能力とやりがいを高める支援に特化しています。独自の高精度な音声認識技術により、新人オペレーターでも迷わず正確な回答ができるようナビゲートします。また、SV(管理者)向けには、全オペレーターの状況のリアルタイムモニタリングや、感情変化・NGワードの検知アラート機能を提供。現場の心理的安全性を保ちながら、組織全体の応対品質向上と平準化を実現する点が評価されています。
カスタマーサポートに寄せられる声(VoC)だけでなく、Webサイトでの行動履歴や過去の購買データなど、企業のあらゆるデータを一元化する顧客データプラットフォームです。蓄積されたデータとAIを活用することで、解約リスクの予測や、顧客一人ひとりのニーズに合わせた的確なアクション案をリアルタイムに提示します。サポート窓口を高度化し、全社的なLTV(顧客生涯価値)の向上を推進したい企業に適しています。
トレジャーデータは、顧客データ活用領域に特化したプラットフォームを提供する企業です。企業が保有するWeb行動データやサービス利用履歴、問い合わせ情報などを統合し、顧客理解を深めるためのデータ基盤を構築できます。こうしたデータを活用することで、カスタマーサポートにおいても顧客の状況を把握しやすくなり、担当者への振り分けや対応判断に役立てることが可能になります。サポート部門だけでなく、マーケティングや営業部門とのデータ連携にも活用されており、顧客対応の質向上やアップセルにつながる取り組みを支える基盤として導入されています。