コールセンターでの電話やチャットでのやり取りについて、音声認識や自然言語処理などのAI技術を活用して評価・採点を行う仕組みです。通話音声をリアルタイムまたは事後にテキスト化して、言葉遣いや相槌、必須の案内項目の網羅性などについて解析を行えます。
それぞれの企業で設定された評価軸に基づき、AIが自動でスコアの算出を行いますので、客観的な評価が可能となり、品質管理業務の効率化にもつながります。
これまでは、スーパーバイザー(SV)などが一部の録音データをランダムに抽出し、自身の耳で聞いて採点を行っていました。そのため、全件評価は難しく、特定の対応しか評価されないといった課題がありました。また、評価者の主観などによって基準がブレてしまうという面もありました。
AIを活用することによって、人間の主観を排除した客観的な評価を行えます。さらにすべての対応履歴を対象とした評価を行えるようになります。
コールセンターにおける電話やチャットでのやり取りを、音声認識や自然言語処理などのAI技術を用いてテキスト化する機能です。この機能によって、評価者が長時間にわたる通話を聞き直す、という手間を省けます。また、テキストデータ化することによって、キーワード検索や感情分析などAIによる処理の土台となります。
さらに文字起こしとともに通話内容の要約を生成できるツールもあり、応対後の入力作業に関する作業負担の削減にも繋がります。
企業により設定した評価基準(例えばマニュアルの遵守や言葉遣い、案内漏れの有無など)に基づいて、AIにより通話内容を採点する機能です。評価の基準が統一されるため、それぞれのオペレーターが「どこができていて、どの対応が不足しているのか」という点が明確な数値として可視化されます。また、このスコアを利用した客観的なフィードバックも行えます。
あらかじめ登録した特定のキーワードや表現の有無についてAIが自動で検出を行う機能です。例として、必須の案内事項を正しく伝えられているかの確認に活用する、不適切な言葉遣いやクレームに発展しそうなワードが使用されていないかなどを検知することができます。
会話のテキスト内容に加え、音声の物理的な特徴からコミュニケーションの質について分析を行えます。発話量や沈黙時間、話の速度などの分析を行うことができます。どちらかが一方的に話しているということはないか、適切な間や相槌が取れているか、保留や沈黙が長すぎないかなどの測定を行います。音声認識結果との組み合わせにより、詳細な応対スキルの評価や指導にも活用可能です。
顧客の話す内容や声のトーン、スピード、抑揚といった音声の特徴を組み合わせ、顧客の感情についてAIが判断します。「怒り」「不満」「不安」「悲しみ」などのラベル付けや、時系列で感情の変化を可視化するといった方法があります。
応答を開始した時点では不満を持っていたものの、オペレーターが対応して通話終了時には「満足」に変化したなど、顧客の感情変化を把握できるため、より良い応対品質の評価に役立てられます。
大量の通話データの中から、クレームに発展した応対やスコアが低い応対などをAIでピックアップします。従来はランダムでの抽出を行っていましたが、AIの導入により確認すべき問題のある応対のみを抽出することが可能。「なぜクレームに発展したのか」という点について迅速に分析し、二次クレームの防止や再発防止策の策定に繋げられます。
AIが算出したスコア・分析結果をもとにして、オペレーターに対して具体的な改善点やフィードバックの提示を行います。客観的なデータに基づいているため、フィードバックを受けたオペレーターも納得感を持ちやすく、スーパーバイザーとオペレーター間で統一された基準での面談やコーチングに繋げられます。
人の手では非常に困難な「全件評価」すなわち100%の通話モニタリングを実現できる点が、大きなメリットです。ランダムで抽出する場合には見逃されてしまう優れた対応や、不適切な対応について漏らさずに把握可能です。
また、言葉遣いや案内漏れのほか、話の速度や沈黙時間、顧客感情といったように人間が一度聞いただけでは把握するのが難しい要素まで評価できるため、コンタクトセンター全体の応対レベルの実態を捉えることにも役立ちます。
従来は、録音データを聞く、評価シートへの手入力を行うなど評価作業にスーパーバイザーが膨大な時間を割く必要がありました。しかし、AIを活用することによってこのような評価にかかる作業工数を大幅に削減可能です。浮いた時間を活かしてオペレーターへの直接的なコーチングやメンタルケア、マニュアルの改善などさまざまなマネジメント業務に注力できるようになります。
人間が評価を行った場合、評価者の経験やスキルなどによって、基準にばらつきが生じます。AIを導入すれば、事前に定義したルールに基づき、すべてのオペレーターに対して同じ基準で客観的な評価を行えます。このことによって評価の公平性が担保されるため、オペレーター自身も納得感を得やすくなります。
AIによる評価では、さまざまな評価項目が数値化されるため、それぞれの得意な点と苦手な点が可視化されることになります。「言葉遣いは丁寧だが保留時間が長い」「漏れなく案内ができているものの早口になる傾向がある」など、具体的な課題が客観的なデータとして示されることから、オペレーター自身も改善点について認識できます。
教育やコーチングにあたり、スーパーバイザーが指導のポイントを素早く把握できるのも、AIを導入するメリットのひとつです。曖昧な指導ではなく、「この部分の案内が漏れている」など、データを根拠とした具体的で説得力のあるフィードバックを行えます。
一貫したコーチングが行えるため、新人からベテランまで効率的にスキルアップを促すことができます。
AIによる全件評価を行えることで応対品質の底上げを図れるため、顧客はどのオペレーターでも質の高いサポートを受けられるようになります。案内漏れによるクレームや不適切な対応を未然に防げるだけではなく、AIの感情分析などの利用により、顧客に寄り添った対応が可能になり、顧客の不満解消に繋げやすくなります。
結果として、企業やブランドに対する信頼度が高まることにより、顧客満足度の向上が期待できます。
応対品質AIの活用例として、電話応対の自動モニタリングが挙げられます。コールセンターにおける日々の電話対応を、AIが自動でモニタリングする方法です。通話中にAIが内容の解析を行い、オペレーターの画面に必要な案内などを表示することでサポートを行います。
また、長時間の保留や不適切な発言、顧客の激しい怒りなどを検知した場合には、スーパーバイザーにアラートを通知し、エスカレーションやフォロー介入を可能にします。
電話の対応に加え、チャットやメールによるカスタマーサポートの品質評価にもAIを活用できます。送信前の文章をAIが解析し、回答の正確性や敬語の誤りなどを確認して修正案を提示可能です。
さらにチャット履歴全体の分析を行い、解決までのスピードや言葉遣いの適切さのスコアリングを行うことで、チャネルを問わず統一された品質管理に繋げられます。
新人オペレーターの教育にもAIを活用できます。AIが通話をモニタリングし、リアルタイムで回答候補の提示を行うことにより、新人オペレーターの知識不足による不安・案内ミスを軽減して早期の独り立ちを支援します。
さらに、指導を受ける新人オペレーターも、自身のスコアが日ごとに改善していく様子を確認可能であるため、モチベーション維持にもつながります。
実際の顧客対応を行う前、AIを相手にしたロールプレイングを行い、トレーニングを積むという活用方法もあります。AIによりオペレーターの対応内容や言葉遣いをその場で採点・フィードバックを行えます。人間相手にロープレを行う場合と比較すると手間を省くことができる点に加え、何回でも反復練習を行えます。
AIが全件評価を行う中で、スコアが非常に高い対応や、難しいクレームを解決した優れた応対事例を抽出します。さらに、この応対を模範事例としてテキスト化を行い、社内ナレッジやマニュアルに落とし込んで共有できます。また、優れた応対を行ったオペレーターを評価・表彰する仕組みを作ることによって、組織の士気向上にも繋げられるという面もあります。
もし通話中に「訴える」「解約する」といった危険なキーワードや、顧客の怒りの感情をAIがリアルタイムで検知することで、大きなクレームが発生する前に早い段階での対応を可能にします。また、業界により法令で定められた案内を行っているか、また虚偽の説明をしていないかといったコンプライアンス違反がないかをAIにてチェックします。この機能により、企業のリスクマネジメント体制を強化し、後の大きなトラブルの発生を防ぎます。
応対品質の評価基準は、業界や企業によって大きく異なります。例えばある企業では「マニュアル通りの正確な対応」を重視しているのに対し、「顧客への寄り添いや共感」を重視する企業もあります。
以上の点から、応対品質AIを選ぶ場合には、一般的な評価項目に加えて自社独自の評価基準の設定ができるかどうかを確認することが必要になってきます。
企業と顧客の接点は多様化しており、電話のほかメールやチャット、SNSなど複数のチャネルに対応しているか、という点も応対品質AIを選定する際に注目すべき部分です。
音声認識に特化したツールなのか、テキストの解析も行えるのかといった点から、活用範囲が変わってきます。それぞれの応対データの一元管理ができ、チャネル横断で品質評価が可能なツールの選定も選定時にチェックしておきたいポイントです。
AIの大きな強みである「全件の自動評価」に対応しているかを確認します。さらに、録音データを用いた事後処理にのみ対応しているのか、通話中にリアルタイムで音声認識を実施し、NGワードの通知やスーパーバイザーに向けたアラート通知なども行えるのかといった点も確認してください。
もし、クレームに対する早期介入やオペレーターをすぐにサポートできることを重視したいケースについては、リアルタイム検知に優れたシステムを選ぶ必要があります。
AIにより算出されたスコアや分析結果は、現場のスーパーバイザーやオペレーターにとってわかりやすいレポートの形で出力されるかという部分も重要です。個人ごとのスコアの推移や頻出するNGワードの傾向などが直感的に把握できるレポート機能が搭載されているかを確認してください。このような機能が用意されていれば、日々のフィードバック業務のほかにも定例会議での報告、経営陣へのエスカレーションなどをスムーズに進行できます。
導入を検討しているツールは、既存の電話システムやCRM(顧客関係管理システム)との連携が可能かどうかという点も、あらかじめ確認しておくべき部分です。例えばCRMとの連携ができれば、顧客の属性や過去の対応履歴などと紐付けた形での分析を行えるようになります。既存の業務フローやシステム環境を大きく変えずに導入や運用ができるかがポイントのひとつといえます。
AIは、あらかじめ指定されているルールなどに従って機械的に評価を行います。この点から、導入前に自社の評価基準について定義する必要があります。この部分がもし曖昧だった場合、AIも正しい評価を下すことができません。
以上のように、「導入ありき」で進めるのではなく、まずは自社の評価軸を明確に設定してから、AIの判定ロジックに落とし込む、という事前の準備が求められます。
現在のAI技術は高度ではあるものの、人間特有の機微などを完全に理解できるわけではありません。設定された基準に従い「不適切」と判定された対応だったとしても、実際には状況に応じて臨機応変な対応を行ったという可能性も考えられます。このように、AIによる評価を絶対的な正解として鵜呑みにするのではなく、最終的な評価・判断は人間が行うという運用ルールを設定することが大切です。
AIにより全件が厳密にモニタリングされている状況は、オペレーターにとっては「常に監視されている」とプレッシャーを感じるリスクもあります。そのため、応対品質AIを導入するにあたり、どのような基準でAIが評価を行うのかといった評価プロセスを透明化し、あらかじめオペレーターに説明しておくことが大切です。
AIによる客観的で公平な評価により、自身のスキルアップや正当な人事評価につながる、というメリットを伝え、納得感を持って受け入れてもらうことが重要です。
AIの評価結果は、監視ではなく成長を支援するために使用することも大切です。決して「減点方式でオペレーターを責める材料」として使用しないようにしてください。スコアが低い部分を指摘するのみで終わるのではなく「なぜできなかったのか」「改善するにはどうしたら良いのか」といった点を一緒に考え、具体的なアドバイスを行うためのツールとして活用するようにしてください。
カスタマーサポートにおいて、応対品質の評価を省力化・均質化したいという要望を持っていた企業における導入事例です。こちらの企業では、そのほかに品質評価によってオペレーターだけではなくセンター全体の課題について洗い出しを行うことで、応対品質の向上に繋げたいというニーズもありました。
同社ではAIを導入することによって通話記録データの自動評価を行いコーチングに活用しました。その結果、振り返りやアドバイスを通じて応対品質およびロイヤルティが向上したという結果が得られています。
全国8拠点にコンタクトセンターを展開している企業の導入事例です。 こちらの企業では、「評価の属人化とブレ」「手作業モニタリングによる工数の増大」「育成コストの負担」という課題を抱えていました。
そこで、「同社の標準化された基準に合わせて柔軟にカスタマイズできる」「AIで一律の基準で評価でき、ブレを抑えられる」という点を満たしたツールを導入。その結果、AI評価によるブレを是正できた、工数40%削減・月間の評価本数が1本から3本に増加、育成負担の大幅な削減といった効果が得られています。
「応対品質 AI」と検索して、10位までに公式サイトが表示された会社の中から、応対品質AIの導入支援を行っていると確認できた会社を紹介しています。(2026年8月12日調査時点)
2014年よりZendesk支援事業を手がけており、数多くの企業におけるカスタマーサポートやヘルプデスクに関わる課題の支援を行っています。大手企業から中小企業、IT、EC、サービスなどさまざまな業界の顧客をサポート。カスタマーサポートのほか多彩な利用シーンにおけるZendesk活用のノウハウを保有しています。
導入や定着までのサポートはもちろん、運用や保守面でもサポートするためのサービスを用意しています。
株式会社TMJは、AI導入支援サービスを提供している企業です。それぞれの企業が抱える課題や要望をヒアリングし、その内容をもとにしてAIの活用領域について提案を行います。
例えばコンタクトセンターにおいては、オペレーターへの支援を行っています。顧客からの問い合わせに対応する際に、生成AIによって回答案の提案を行うことでオペレーターの負担を軽減し、応答品質を向上させられます。AIエンジンの選定から導入、運用までのプロセス全体を支援しています。
応対品質AIは、コールセンターにおける通話やテキストでの対応をAIが評価を行うものです。従来の手動評価の場合、「基準のブレ」や「評価者の負担が大きい」といった課題を解決し、客観的な評価を可能にします。
音声認識やNGワードの検知、顧客の感情分析などを通じ、それぞれのオペレーターの改善点も可視化できるため、スーパーバイザーの評価工数が大幅に削減され、データに基づいた指導が行えるようになります。また、客観的な指導を受けられることから、オペレーター自身も納得感を得られやすいといえます。このように、応対品質AIを導入することにより、評価と人材育成の効率に取り組むことがおすすめです。
カスタマーサポートにAIを導入する企業が増える一方で、
「何をゴールにするのか」によって、選ぶべき技術やパートナーは大きく異なります。
本ページでは、サポート領域におけるAI活用の3つの視点──
問い合わせの自律実行/オペレーター支援/顧客理解と改善──に分けて、
それぞれの目的にもっとも適した国内ベンダーをご紹介します。
高度な生成AIを搭載し、定型的な質問応答から予約・注文処理までを自律的に完了させるソリューションです。コスメブランドのLushでは、AIが初期対応を担うことで一次解決率60%を実現し、毎月360時間の業務削減に成功。美容サロンのHello Sugarでも予約プロセスの自動化などにより66%の自動化率を達成しています。単なる“FAQ誘導”ではなく、顧客の課題を直接解決するAIをスピーディに立ち上げたい企業に適しています。
“チャットに答える”のではなく、ユーザーの目的を理解し、自律的に問題を完了させるAIエージェント。返金・配送確認・キャンセル処理などの実行業務を人手を介さず完了できるのが特徴。導入は数クリック・短期間で完了し、サポート業務の40〜60%を自動処理する実績も。Zendesk導入実績は500件を超え※、味の素デジタルビジネスパートナー、ベースフード、SONY Bizなど業界を問わず支援してます。
音声認識AIを駆使し、コンタクトセンターにおける電話応対から後処理(ACW)までをシームレスに効率化するソリューションです。通話内容をリアルタイムでテキスト化し、適したFAQを自動提示します。通話終了後はCRMの入力項目に合わせて内容を自動要約するため、オペレーターは確認・微修正のみで記録が完了。北國銀行などの事例ではACWを約30%削減した実績があり、現場の業務負荷軽減適してます。
「人が主役」の設計思想のもと、コールセンター全体の能力とやりがいを高める支援に特化しています。独自の高精度な音声認識技術により、新人オペレーターでも迷わず正確な回答ができるようナビゲートします。また、SV(管理者)向けには、全オペレーターの状況のリアルタイムモニタリングや、感情変化・NGワードの検知アラート機能を提供。現場の心理的安全性を保ちながら、組織全体の応対品質向上と平準化を実現する点が評価されています。
カスタマーサポートに寄せられる声(VoC)だけでなく、Webサイトでの行動履歴や過去の購買データなど、企業のあらゆるデータを一元化する顧客データプラットフォームです。蓄積されたデータとAIを活用することで、解約リスクの予測や、顧客一人ひとりのニーズに合わせた的確なアクション案をリアルタイムに提示します。サポート窓口を高度化し、全社的なLTV(顧客生涯価値)の向上を推進したい企業に適しています。
トレジャーデータは、顧客データ活用領域に特化したプラットフォームを提供する企業です。企業が保有するWeb行動データやサービス利用履歴、問い合わせ情報などを統合し、顧客理解を深めるためのデータ基盤を構築できます。こうしたデータを活用することで、カスタマーサポートにおいても顧客の状況を把握しやすくなり、担当者への振り分けや対応判断に役立てることが可能になります。サポート部門だけでなく、マーケティングや営業部門とのデータ連携にも活用されており、顧客対応の質向上やアップセルにつながる取り組みを支える基盤として導入されています。